ずっと考えていたことがある。

「私は

仁左衛門さんの与兵衛を

舞台で

見たことあるのか?」

と。。。

「シネマ歌舞伎で

女殺油地獄は見たことあるけど、

シネマ歌舞伎と勘違いしているんかなぁ。」

この答えは出ないままで

映画館に行った。

aburajigoku.3

12:40~

解説 園田学園女子大学教授

   近松研究所

   水田かや乃先生

A4の資料を2枚、入り口でいただきました。

水田先生からは

『女殺油地獄』に登場するお金の話と

片岡仁左衛門さんについての話がありました。

水田先生が

昭和39年朝日座で初演。

それ以降

大阪での上演が無かったのですが、

平成19年7月海老蔵さんがケガをされた代演で

与兵衛を松竹座で演じました。

と解説して下さったんです。

私は、

「コレだ!」

と心の中で叫びました。

私、

この時に

仁左衛門さんの与兵衛、

見ていました。

疑問が解決して良かったです。

 

「豊島屋油店(てしまやあぶらみせ)の段」の

仁左衛門さんの

一瞬一瞬を

絵に描きたいぐらい表情、ポーズ、内面性が

完璧でした。

息を殺したり

自分の息を

仁左衛門さんに合わせたりと

スクリーンの中に引き込まれました。

人を殺す時の笑顔、

殺した後、

手からなかなか離すことが出来ない刀。

油にまみれて倒れては起き、

起きては倒れるという壮絶なシーンは

孝太郎さんと

シンメトリーになって

非常に

美しかったです。

「豊島屋油店(てしまやあぶらみせ)の段」は

仁左衛門さんの熱演も、もちろんですが、

孝太郎さんのお吉にも

賛美が送られるべきだと考えています。

 

与兵衛が

大金をかかえ、

豊島屋を出るとき、

 

 

お吉の家の軒先の菖蒲の葉が

ボトンと落ちる。

この演出が

私は好きだ。

男の子の節句のモチーフである

菖蒲が落ちるということは

今後

親の期待と正反対の道を

与兵衛が歩むことを暗喩している。

 

たっぷりためて

花道を爆走する仁左衛門さんは

カッコ良すぎた。

 

aburajigoku.2

 

古典芸能案内人
天野光(アマノヒカル)でした。
私のフェイスブックはこちらから。
フォロー、お友だち申請はお気軽に!