2月12日(日)

京都和の文化体験の日

「はじめまして、能楽」

先斗町歌舞練場に

行ってきました。

no.2

no.3

開場15分前には

長蛇の列が出来ていました。

no.4

入場のときに

今回のイベントのプログラム(A4,2枚をホッチキス留めしたもの)、

詞章「船弁慶」、

冊子「能楽入門の能楽」や

チラシをいただきました。

no.11

no.12

自由席だったので私は

2階席の升席に座りました。

舞台は

能舞台の設営が出来ていました。

(橋がかりは無く花道を使った演出にしていました。)

no.5

13:30司会者から吉坊さん紹介

吉坊さんの解説

ここは昭和2年の建物ということで

古い会場で古い芸能を楽しむことも出来ますが

新しい能楽堂で、お能を楽しむことも出来ます。

落語は一人で演じるんですが、

お能は色んな人が登場するんです。

お能は役割分担があるんです。

主役をシテと呼んでいるんですが、

今日のシテは

前半後半で役が変わるんですね。

でも演じるのは一人。

主役があったらワキ役がいますね。

文字通り、ワキと言います。

お能の狂言の方は

アイというんです。

紋付袴の人が黙って出てくるんですが、

地謡ですね。

後ろがお囃子。

地謡は舞台に居るんですが、

物語では居てない設定。

お囃子の人たちも舞台に居るんですが、

お話の設定では居ない。

後見という人は

お芝居全体を見守っている存在です。

船弁慶の話を、

落語風にやってくれと言われたんですが、

これ、落語風にすると70分かかるんで、、、

【船弁慶の解説】を始める吉坊さん。

源平の時代のお話です。

義経は戦に強かった。

それ故に兄に謀反の疑いをかけられ、

尼崎から九州へ堕ち伸びようとするんです。

そこで平知盛の幽霊が現れる。

武器でやっつけようとするんですが、

相手は幽霊です。

武器では勝つことが出来ない。

そこで弁慶は元はお坊さんなので

お経で知盛を退治することが出来たんです。

ポイントがいくつかあるんですが、

・船に乗るシーン。

 船が意外な形で出てくるんです。

 電車ごっこみたいな船が出てくるんですね。

 お能というのは想像してもらう部分が多い。

 出て来るのは知盛だけですが、

 地謡の謡で、後ろに大勢の家来を連れていることを想像するんです。

・子方、すなわち子役ですが、

 義経の役を子役が演じているので

 そちらも注目して下さい。

13:45 舞台裏からお調べが鳴る。

吉坊さん「もうすぐお能が始まりますよ。という合図です。」

吉坊さん、舞台からはける。

13:45「船弁慶」(ダイジェスト版)

14:28休憩

14:43第2部能楽トーク

【林宗一郎さん、茂山良暢さん、有松遼一さん、桂吉坊さん】

吉坊さん(以下吉坊)「一番目立つ役者さんが仮面をつける。

    他の芸能と比べると主役が損。という気がしませんか?」

宗一郎さん(以下宗一郎)「ワキは直面(ひためん)と言って面(おもて)を付けない。

     シテが超現実なので

     それに対して現実的な人物。

     非現実な人物を表現するために面(おもて)を付けています。

    損をしているとは思いませんね。役になりきれます。」

吉坊「お能の中のアイとは?」

茂山さん(以下茂山)「『もっと見て!』というのを出して

    やり過ぎて、怒られるときもあります。」

宗一郎「シテ方は地謡を務めることもあるんですが、

   物語の中で一番エライと思っていない。

   『オレを見ろ!』というのは好ましくない。

  (茂山さんの方を見る。)」

茂山さん「(苦笑)」

会場爆笑。

茂山「世阿弥の言葉に『松・竹・梅』という言葉があります。

  松竹は舞台に出ている。

  梅は花である。花は人間。

  梅は出演者であり、スタッフであり、見に来てくれるお客さんなんです。

  何ひとつ欠けてもいけない。」

吉坊「シテの面ですが、

  なんか顔に合ってないなぁ、、、

  サイズ小さいんじゃないの。

  面を見えやすくしようと

  もっと顔に合わせるってないんですか?」

宗一郎「わざとアゴを出すようにしている。

   かえってアゴをすっぽり隠すとオカシイんです。

   能面は役になりきるスイッチ。

   歌舞伎の女形さんのように女役だからと言って

   声を高くすることは一切無いです。

   謡い方を女役と男役で違えています。

   (宗一郎さん女役と男役の謡い実演)

   抑揚が変わるんですね。

   声の高さじゃないんです。」

吉坊「見続けていることで、わかってくるんでしょうね。」

吉坊「ワキ。

  今日は弁慶でしたが、

  ワキはお坊さんの役が多いですね。

  ずっと座っているとシンドクないんですか?」

有松さん(以下有松)「シンドイです。責任重大な役です。

  ワキ席は

  橋がかりからシテ方がやってくるのがよく見えるんです。

  舞台がよく見える。

  SSS席です。」

茂山「座っている時、何考えてるの?」

有松「もっとずっと座って、

  この世界に居たい。」

吉坊「アイですが、合間合間に説明しますよね。」

茂山「アイの役目は

前ジテの静御前の出番が終わって

宗一郎さんが中に入って着替えますよね。

前ジテと後ジテが別の人間ですよ。と

お客さんにリフレッシュして見ていただくんです。

後ジテ、期待して下さいよ、という役目です。」

吉坊「いつ頃から、お能に触れていますか?」

宗一郎「三歳から。

   三十四年ぐらいですね。

   『林家』は江戸時代から続いているんです。」

有松「大人になってからこの世界に入りまして。

  22,23,24歳ぐらいから。」

吉坊「おうち以外で入ってきている人、多いですか?」

有松「国立能楽堂の養成所もあります。

   ボクは京都の先生に入門したんですが、、、」

吉坊「なんで、シテ方にならなかったんですか?」

有松「谷田宗二朗先生。

  この人に付いていきたいなぁって思ったので。」

吉坊「落語でも師匠が居ますが、

  我々でいうところの親を選んでいる感覚に近いのかも。」

吉坊「客席から声を出してみませんか?」

有松さん指導で「名乗りの練習」

宗一郎さん指導で「つけ祝言の練習」

茂山さん指導で「笑いの練習」

 

15;15抽選会

15:21門川大作京都市長からの言葉

15:28終了

 

ロビーに下りると

宗一郎さん、

茂山さん、

有松さんと

京都市長さんがお客さんのお見送りをしていました。

no.6

お写真を撮らせていただきました。

林宗一郎さん(能楽師・観世流シテ方)

no.9

茂山良暢さん(能楽師・大蔵流狂言方)

no.7

有松遼一さん(能楽師・高安流ワキ方)

no.8

門川大作市長と

2ショットを

撮らせていただきました。

no.10

いただいたお名刺に

門川大作市長さんのフェイスブックページがあったので

電車に乗って検索したら、

もう

「はじめまして、能楽」のことが載っていました。

京都市の仕事の速さ、

恐るべし。

私も見習います。

 

HP管理人雑感

4歳か

5歳ぐらいの子どもたちも

身を乗り出してお能を見ている姿に

驚愕しました。

京都には

古典芸能が根付く土壌があることを

実際目の当たりにした時間でした。

吉坊さんの解説が

とっても分かりやすかったです。

私のような人間には

「船弁慶」の「船」を

『電車ごっこみたいな』と例えて下さったのが

非常に分かりやすかったです。

また

お能が見たくなりました。

 

古典芸能案内人
天野光(アマノヒカル)でした。
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