bunraku.theatre.entrance.jan.2015

昨日、

新春文楽公演第2部(夜の部)、

見てきました。

夜の部は、

「日吉丸稚桜」

「冥途の飛脚」

の2演目が上演されましたが、

今日は、

「冥途の飛脚」

に、フォーカスして、

書かせていただきます。

meidonohikyaku.bunraku.jan.2015

大きく2つに分けて書かせていただきます。

1つは、

私と「冥途の飛脚」との出会いについて、

もう1つは、

「レビュー」

です。

まずは、

私と「冥途の飛脚」との出会いですが、

 

歌舞伎

『恋飛脚大和往来(=こいびきゃくやまとおうらい) 封印切(=ふういんぎり)』
の方が先でした。
劇場は浅草公会堂、
見たのは、2005年1月。
(ちょうど10年前なんですね。)
【主な配役】(敬称略)
忠兵衛:市川亀治郎
梅川:中村七之助
八右衛門:片岡愛之助
治右衛門:中村獅童
おえん:市川門之助
10年経った今、考えると、
豪華配役だったなぁと、
感慨深く思い出しています。
東京でこの作品を観劇した後、
どれぐらい経った時期だったでしょうか?
「冥途の飛脚」という文楽を見に行って、
見ているうちに、
「おやっ」って思ったのです。
飛脚が公金を横領する話、、、
歌舞伎で見たことあるなぁ、、、
と思いながら帰路につき、
家で調べてみると、
「冥途の飛脚」を、
改作したのが、
「恋飛脚大和往来」
だというのがわかりました 😆
話、変わって、
昨日のレビューを書きます。
歌舞伎との違い、、、
「八右衛門、いい人です!」
八右衛門の首(かしら)は、
陀羅助ですが、
ストーリーを追っていくと、
悪人では無いんじゃないか?と
思ってしまいます。
「淡路町の段」でも、
忠兵衛のお母さんに、
「忠兵衛は、身請けのために、
私のお金を使い込んでいますよ、」
と言うこともできたのに、
友人の忠兵衛を助けるために、
五十両を受け取ったフリをしてくれます。
さて、歌舞伎ではどうでしょうか?
「八右衛門は、悪人に改作されています」
新町の茶屋「越後屋」で、
「俺は金持ちだが、
お前はお金を持ってないだろう。」
と、
徐々に忠兵衛を追い込んでいく八右衛門は、
悪人に描かれています。
忠兵衛と八右衛門の
火鉢とお金を使った演出は、
「恋飛脚大和往来」の一番の見どころのようにも思います。
また、茶屋を出る前に、
八右衛門自ら、
「嫌われ者の八右衛門」
と自分で言うのです。
さて、「冥途の飛脚」で、忘れてはならないのが、
忠兵衛の羽織落とし!
羽織落としと言えば忠兵衛!
忠兵衛と言えば羽織落とし!
ですよね。
羽織落としの瞬間を
しっかと見てきました 😆
「淡路町の段」で、
大金を懐に入れた忠兵衛が店を出て、
受取人にお金を渡そうか、
それとも、
梅川の待つ新町に行こうか、
思案している最中に
羽織を落とすのです。
梅川のことで頭がいっぱいの忠兵衛は、
羽織を落としたことにも気づきません。
さて、文楽では、どうなっているのでしょうか?
忠兵衛が一瞬、後ろを向きます。
その時、黒子の介錯人が、床下から出てきて、
忠兵衛の羽織ひもを解きます。
瞬時に介錯人は床下に消えます。
忠兵衛が正面を向いた時、
羽織ひもがダラリと下に垂れた状態になっているのです。
そして、歩いているうちに、
自然に羽織が落ちてしまうようになっています。
(実際は、左遣いさんが、さり気なく羽織をズラシていたように思います。)
まだまだ話したいことは、ありますが、
今日はここまでにしておきます。
新春文楽公演は26日まで。
(15日は休演です。)