nokishobu

↑  ↑  ↑

(夏の文楽公演のプログラムに付いていたリーフレットより)

 

菖蒲は、

「男の子の成長と成功を祈る」気持ちを込めて、

端午の節句に使われています。

この菖蒲が、

「女殺油地獄」の中で、

物語の展開を暗示する象徴として

効果的に使われているのです。

 

葛西聖司さんの「月イチ歌舞伎の楽しみ方」を受講した時、

葛西さんが、

「与兵衛がお吉を殺したあと、

軒先がどうなっているか注目して!」

と、おっしゃっていらしたので、

よく見ていました。

 

与兵衛がお吉の家を出たあと、

軒菖蒲が、地面に落ちるんです。

これは、与兵衛の両親の願いも虚しく、

与兵衛が堕落していく象徴になっているのです。

 

さて、文楽では、どうでしょうか?

実際の縮尺から考えると、

大きいと思われる菖蒲が軒に吊られていました。

(文楽のこういった小道具は実際の縮尺から考えると大きめでも

不自然には、ならないそうです。存在を強調するために、

敢えて大きめの小道具も用いる時もあるそうです。

今年2月の西宮文楽探検第一部「文楽の小道具」で、

そのお話を聞きました。)

話が、

ちょっと横にそれてしまいました 😳

話を元に戻します 😆

 

軒菖蒲が地面に落ちるタイミングが

歌舞伎と異なっていました。

 

与兵衛が、お吉を、殺そうと強く決心し、

格子戸を

勢い良く閉めた時、

軒菖蒲が

地面に落ちたのです。

 

同じ演目でも、演出が違って、

とても興味深かったです。